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「intelino-trainlib-py」は、スマートトレインをPythonで操作するための公式ライブラリです。
このライブラリを使えば、スナップによるコマンドやルートの切り替え、スピードの調整など、スマートトレインのさまざまな動作をプログラムでコントロールできます。
本ガイドでは、ライブラリのインストール方法から基本的な使い方、動作確認、そして実践的なサンプルコードまでをわかりやすく紹介します。
このガイドを通じて、スマートトレインを活用した学習や授業、創作活動に役立てていただければ幸いです。
このセクションでは、intelino-trainlib-py ライブラリを Python 環境にインストールする方法を説明します。
パソコンへの全体インストール(グローバル)と、プロジェクトごとの仮想環境へのインストール(ローカル)の2通りがあります。
初めての方や、手軽に試したい方には「グローバルインストール」がおすすめです。
Pythonの環境管理に慣れてきたら、プロジェクトごとに環境を分けて管理できる「仮想環境インストール」に挑戦してみましょう。
Python がすでにインストールされている場合は、以下のコマンドをターミナルまたはコマンドプロンプトで実行するだけで OK です。
Python3 -m pip install intelino-trainlib
※ python3 の部分は、環境によっては python だけで動作する場合もあります。
PyPIのintelino-trainlibライブラリ紹介ページ
👉 https://pypi.org/project/intelino-trainlib/
インストールに必要なのはコマンドの実行だけで、このページを開く必要はありません。
この方法は、常に最新で安定したバージョンが自動的にインストールされます。
🔸 Pythonがまだインストールされていない場合
本ページの「3.3 Pythonのバージョンとpipについて」をご確認ください。
以下の手順で仮想環境を作成し、intelino-trainlib をインストールできます。
【Windows の場合(コマンドプロンプト)
1. 任意のディレクトリで仮想環境を作成
python -m venv .env
2. 仮想環境を有効化
.env\Scripts\activate
3.ライブラリをインストール
python -m pip install intelino-trainlib
【MacOS / Linux の場合(ターミナル)】
1. 任意のディレクトリで仮想環境を作成
python3 -m venv .env
2. 仮想環境を有効化
source .env/bin/activate
3.ライブラリをインストール
python3 -m pip install intelino-trainlib
ローカル環境(仮想環境)にインストールしたライブラリを使うには、ターミナルを開いた後に毎回、その仮想環境を有効にする必要があります。
ライブラリのあるフォルダに移動して、以下のコマンドを実行してください。
【Windows の場合(コマンドプロンプト)
.env\Scripts\activate
【MacOS / Linux の場合(ターミナル)】の場合
source .env/bin/activate
スマートトレインをPythonaで動かすには、以下のような動作環境が必要です。
【Windows 10 / 11】Bluetooth 4.0以上の機種で使用可能。未搭載の場合もUSBアダプタで簡単に対応できます。
【MacOS 10.11 以降】標準でCore Bluetooth APIに対応しており、ほとんどのMacでそのまま使えます。
【Linux】Bluetooth機能「BlueZ 5.43以上」に対応している必要があります。
スマートトレインと通信するためには、Bluetooth 4.0以上(BLE対応)の機能が必要です。
これは、Windows・macOS・Linux のどのパソコンでも共通の条件です。
ノートパソコンやMacには、たいていBluetoothが内蔵されています。
デスクトップパソコンや古い機種では、Bluetoothがないこともあります。
Bluetoothがない・古い場合は、Bluetooth USBアダプタ(Bluetooth 4.0以上対応)を使えばOKです。
USBに差し込むだけで使える小型機器です(1,000円〜2,000円程度)
一度差せば、以後は内蔵Bluetoothと同じように使えます。
https://amzn.to/44o2yzt
※パソコンによっては、うまく繋がらない場合がございます。
スマートトレインを操作するには、Python 3.7 以上とpip(ライブラリ管理ツール)の両方が必要です。
1. Python 3.7 以上
2. pip(Pythonのライブラリを管理するツール)
🔸 Pythonがまだインストールされていない場合
① Python を公式サイトからインストールしてください。
Python公式サイト(https://www.python.org/downloads/)にアクセス
② Downloadから対象OSを選択して、ダウンロード
③インストール時に 「Add Python to PATH」 にチェックを入れてから「Install Now」を選択
インストール後、以下のコマンドでPythonとpipが使えるか確認できます。
【Windows の場合(コマンドプロンプト)
python --version →(表示例:Python 3.10.6)
pip --version →(表示例:pip 23.2.1)
【MacOS / Linux の場合(ターミナル)】の場合
python3 --version →(表示例:Python 3.11.3)
python3 -m pip --version →(表示例:pip 24.0 from /Library/Frameworks/Python.framework/...)
コマンドを入れても「見つかりません」と出る場合、Pythonがインストールされていない可能性があります。
公式サイトから最新版をダウンロードしてください。
pipが使えない場合、Pythonを再インストールするか、python3 -m ensurepipでインストールしてみてください(macの場合)
日本語のPythonインストール解説(Windows用)
ライブラリのコードを自分の環境で直接編集・テストしたい場合は、以下の手順でセットアップしてください。
※ ライブラリの内部を編集・開発する予定がない方は、この章は読み飛ばして構いません。
【MacOS / Linux の場合(ターミナル)】
git clone git://github.com/intelino-code/intelino-trainlib-py
cd intelino-trainlib-py
python3 -m venv .env
source .env/bin/activate
python3 -m pip install -r requirements.txt
python3 -m pip install -r requirements-dev.txt
python3 -m pip install -e .
【Windows の場合(コマンドプロンプト)
git clone git://github.com/intelino-code/intelino-trainlib-py
cd intelino-trainlib-py
python -m venv .env
.env\Scripts\activate
python -m pip install -r requirements.txt
python -m pip install -r requirements-dev.txt
python -m pip install -e .
Pythonでスマートトレインを操作するには、まずBluetoothで接続する必要があります。
この章では、ライブラリを使って実際に接続する方法を紹介します。
同時に、前の章までで行ったインストールや設定が正しくできているかも確認できます。
【手順】
1. パソコンのBluetoothが有効になっていることを確認してください。
2. スマートトレインの電源を入れてください。
3. コマンドプロンプトまたはターミナルで以下を入力してください。
Python3 -m intelino.scan
python3 で動かない場合は python に変えて試してください。
4. これにより、以下のような結果が表示されるはずです。
Trains (1):xxxxxxxxxxxx : intelino J-1 (RSSI -XX)
電車がリストに表示されず、エラーメッセージも出ない場合は、Bluetoothが有効になっているか、またはその電車が別の端末と接続されていないかを確認してください。
【補足】
スマートトレインを、パソコンのBluetooth設定から接続する必要はありません。
接続してしまうと、Pythonライブラリから認識されなくなります。
接続に問題がある場合は、パソコンのBluetooth設定を開き、「intelino J-1」が接続済みのデバイス一覧に表示されている場合は、その接続を解除してください。
スマートトレインに接続できたら、実際に動かしてみましょう!
はじめての方でも安心して取り組めるように、サンプルプログラム集があります。
実際にスマートトレインを動かすコードがまとめられており、これらをもとに学習を進めたり、自分なりに改良していくこともできます。
【手順】
1. 下のリンクより、サンプルコードを一括ダウンロードしてください。
サンプルのダウンロード
2. ZIPファイルを展開すると、「examples」フォルダが作成されます(Macの場合は自動で展開されます)。
この「examples」フォルダの中には、01_~ で始まるファイルなど、合計14個のサンプルファイルが入っていることが確認できます。
次に、この「examples」フォルダをフォルダごとデスクトップに移動してください。
つまり、パソコンのデスクトップ画面に「examples」フォルダのアイコンが表示される状態にしましょう。
3. それでは、01_get_train_info.pyのファイルを実行してみましょう。
プロンプトまたはターミナルで以下を入力してください。
【Windows の場合(コマンドプロンプト)
cd %USERPROFILE%\Desktop\examples
python 01_get_train_info.py
【MacOS / Linux の場合(ターミナル)】の場合
cd ~/Desktop/examples
python3 01_get_train_info.py
下のような表示がされれば、無事に接続できています。
Name: intelino J-1
ID: xxxx
Is connected: True
Current driving direction: 3
Current speed [cm/s]: 0.0
Next planned turn: 0
Distance driven since connection [cm]: 0
4章までの手順がうまく進んでいたにもかかわらず、ここでエラーが出てしまった場合は、【手順】に記載されているフォルダーの場所が正しいかどうかを確認してください。
【解説】
今回、4. スマートトレインに接続するステップの、「python3 -m intelino.scan」を入力していませんが、問題なく動作を確認できました。
これは、実行したサンプルプログラムの中に接続処理があらかじめ組み込まれていたためです。
このように、プログラムの中で接続の処理を自動で実行するようにしておけば、毎回コマンドを入力して接続する手間が省けます。
サンプルコードの解説
01_get_train_info.py 電車に接続して、名前や速度などの情報を表示する
02a_blink_top_led.py 電車上部のLEDを2色で交互に点滅させる
02b_lights.py 前・後・上のLEDを順番に光らせる
03a_driving_speeds.py 速度を変化させながら走らせる
03b_rainbow_drive.py LEDを虹色に光らせながら電車を走らせる
04a_alternating_routes.py 分岐を左右で交互に切り替えて走らせる
04b_alternating_routes.py 分岐をランダムに切り替えて電車を走らせる
05a_all_events.py スナップを認識する確認
05b_snap_commands.py あるスナップについてのプログラム
05c_color_detection.py あるスナップについてのプログラム
05d_color_detection_in_both_directions.py あるスナップについて、前方も後方も認識できるプログラム
05e_snap_command_execution_toggling.py 電車があるスナップを通過した時、コマンドを有効にする
06_multiple_trains.py 2台の電車を同時に制御して走らせる
07_simple_collision_avoidance.py 2台の電車がぶつからないように順番に通過させる
08_wagon_exchange.py 電車が貨車を切り離し、別の貨車と連結する